みんな快適!オンライン参加者に優しいハイブリッドミーティングのコツ
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ども、どもども。
リモートワークが増えたコロナ禍を経て、オンラインミーティングも一般的になりましたが、今はオフィスに出勤するワークスタイルに戻った企業・団体も多く、会議室などに複数名が集まって参加する「オフライン側」と、リモートワークなどで個別に参加する「オンライン側」が一緒にミーティングを開催する「ハイブリッドミーティング」も多く見かけるようになりました。
一見便利に思えるハイブリッドミーティングですが、リモートワークなどで参加する側では「会議室側の表情が見えない」「声が聞こえづらい」といった不満を感じることも少なくありません。
この記事では、そんな「一対多」の課題を解消し、お互いにとって快適なミーティング環境を構築する方法について、私見を交え書いていきたいと思います。
よくあるハイブリッド型「一対多」のデメリット
会議室などに複数名が集まり、リモートでつなぐ相手(1人または複数人)とミーティングを開催するとき、このようなカタチになることはないでしょうか。
会議室などに大型のモニタを用意して1台のパソコンでミーティング画面を共有し、会議室側の参加者が全員映るような広角のウェブカメラを用意したり、全員が映るようにカメラを離れた位置に設置するようなケースです。
ハイブリッドミーティングの開催方法を紹介する記事などでも、一対多で実施する場合にこれを紹介することが多い印象です。
一見すると特に問題ないように見えますが、この状態をリモートワーク側から見るとこのようなカタチになってしまい、いくつかの不都合が出てきます。
会議室側参加者の表情がよく見えない
会議室側で1台のカメラを共有すると、参加者が全員映っていたとしても、その表情が判別できない状態になり、コミュニケーションが一方的になってしまうことが多いように感じます。
オンラインミーティングに限りませんが、話し合いの場ではその表情や視線も重要な情報源の1つで、自分の発した内容について相手がどのように受け取っているのか(納得したのか疑問が残っているのか)など、その理解度や感情を汲み取る手がかりとなり、それが見えると会話をスムーズに進めることができます。
会議室側の参加者からはリモートワーク側の表情がよく見えるので気にならないかもしれませんが、リモートワーク側にとってはかなりストレスが溜まる状況と言えるでしょう。
オンラインミーティングの実施方法などを解説する記事で「カメラは常にONにしましょう」と見かけますが、これはONにしていれば良いということではなく、相手に自分の表情を伝えることがコミュニケーションのうえで大切であることを指しているように思います。
会議室側の発言がよく聞こえない
会議室側のマイクが1台のPCで賄われている場合、少し離れた参加者の声が聞き取りにくいことがあります。
会議室で一緒にいると気が付きにくいですが、リモートワーク側にはかなり大きな影響があります。
電話などでも電波状況や周囲の雑音などで声が聞き取りにくかったりするとストレスが溜まったりしますが、それとまったく同じ状況と言えます。
オンラインミーティングの実施方法を解説する記事では「通信環境の良い場所を選ぶ」といったことが書いてありますが、通信環境が良い状況でも、そもそも音量が小さいなどの場合は意味がありません。
誰に向けての発言なのかがわかりにくい
ミーティングが盛り上がってくると次々と発言が出てきたりしますが、会議室側がそのような状況になるとリモートワーク側では、その発言が誰に向けてのものなのかがわかりにくかったり、会議室側で複数の方々が話をしだすと、そもそもなにを話しているのか聞き取れない状況になりがちです。
会議室の中だけでミーティングが行われているような雰囲気になってしまい、リモートワークの参加者が置いてけぼりな状況になってしまうことも少なくありません。
一対多のデメリットをなくす方法
では、これらのデメリットを解消するにはどのようにハイブリッドミーティングを実施するのが良いのか。
私が一番望ましいと思う環境セッティングは以下のようなカタチです。
1人1台のパソコン(カメラ)を使用する
同じ会議室やオフィスの中であっても、1人1台でオンラインミーティングに参加するのがベストと言えます。
パソコンに外部接続するウェブカメラの中には、自動的に声を出している人にズームアップする機能を持ったものもあるようですが、そのようなものを用意しなくてもこれで解決できます。
ただ、これを実際にやると以下のような問題が起きます。
- 会議室参加者の間でハウリングが発生してしまう
- 会議室での発言と、オンラインミーティングからの音声に遅延が出て、会議室側で会話がわかりにくくなる
ハウリングの問題はヘッドセットなどを使うことで解消できますが、それでも「遅れて聞こえてくるオンラインミーティングの音声」の問題は残ってしまいます。
会議室は使わずに、自分のデスク等から参加すると良さそうにも思いますが、それができないケースもあることを考えると、会議室側では以下のようなセッティングにするのがベターとなります。
会議用のスピーカーフォンを使用する
先ほどの1人1台のパソコンを使用している状態で、以下のようにセッティングしてみましょう。
- 全員がそれぞれのパソコンでカメラをONにする
- 会議室側参加者の1名がパソコンをスピーカーフォンをつなげ、会議室の中央付近に置く
- スピーカーフォンがつながったパソコン以外は、マイクを消音にする
最近のスピーカーフォンであれば、その多くが360度の集音機能を持っているので、よほど離れていない限りはこれで問題なく音声も届くと思います。
お値段も数千円から1〜2万円くらいで購入できるのでお勧めです。
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会議室側でこのようにセッティングすることで、ハウリングの問題や音声の遅延などを解消することができ、リモートワーク側のパソコンにも各参加者が表示され、それぞれの表情もわかるようになります。
1つ気をつけたいポイントがあるとするなら、上記のとおり会議室側では1人だけがマイクONの状態なので、会議室側が発言している最中、それが誰の声なのか画面上ではわからないことになります。(マイクONの人が話しているように表示される)
スピーカービュー(話している人の顔が大きく表示される)を使用していない限り、これまでの経験上、あまり困ることはないように思いますが、この点だけはお互いが理解しておく必要がありそうです。
そのほかのオンラインミーティングおけるポイント
以下はハイブリッドミーティングに限った話ではありませんが、これらにも注意するとよりミーティングがスムーズで効率的になるように思います。
画面共有もいいけれど、事前に資料を配布しておくとよりベター
オンラインミーティングツールを使って画面共有することも多いと思いますが、その場でいきなり資料を見ながら説明をするのではなく、事前に参加者に配布しておくと資料への理解度も高まり、質問や意見なども準備しやすいのでミーティングの質が高まります。
カメラのアングルは、できるだけ「目線と平行」にしよう
ノートパソコンなどに付属しているカメラをそのまま使用すると、どうしても下アングルからの映像になってしまいます。
そのような角度だと相手側を見下ろすような威圧的な目線になってしまうこともあるので、できるだけカメラと目線は平行のアングルにすると良いでしょう。
ノートパソコン用のスタンドを使用するのはもちろん、ノートパソコンの画面部分を垂直になるようにする(パソコンの下に本などを置く)だけでも違うと思います。
あと、光の当たり方によっては、下からのアングルだと老けて見えることもあるので注意が必要です(笑)
あれこれそれなどの指示代名詞に気をつけよう
画面共有されて見ている画面(資料)や、自分のマウスポインタの位置は自分にしか見えていません。
ついつい「あれ」とか「これ」と言ってしまいがちですが、少し面倒でも相手側がすぐに判断できるような言葉を使うようにすると良いでしょう。
私もよく「ここなんだけどさ」と自分だけの目線で言ってしまいがちなので、普段から気にしています…(汗)
相手の話を遮らないように注意しよう
ハイブリッドミーティングで起こりがちですが、生の声とオンラインから聞こえる声には遅延が発生しやすいので、相手が話しているときは最後まで聞き、少し間をあけてゆっくり目に話し出すと良いです。
ヒートアップしてくると会話を重ねてしまうこともありますが、オンライン上で会話が重なると、オフラインのそれよりも判別しにくいものなので、意識的にタイミングを図るとスムーズな会話をしやすくなります。
ミーティングも会話なので、相手を尊重しつつ聞く姿勢が大切ですね。
ミーティングで大切なのは発言内容だけではない
少し横道にそれてしまいましたが、オンラインミーティングではその発言内容だけでなく、表情や仕草といった非言語的な情報も重要なコミュニケーションの1つとなります。
お互いの表情やリアクションを見て、発言に対する理解度や感情を汲み取ることができるのが、オンラインミーティングの良いところ。
電話やメールにはない良さがあるので、それらを効率よく伝えスムーズなコミュニケーションを取るためにもウェブカメラとマイクの使い方をちょっと工夫してみると良さそうです。
オフィスへの出勤とリモートワークのハイブリッドなカタチが定着しつつある今、一対多のオンラインミーティングの機会も増えると思いますが、ちょっと配慮するだけでミーティングの質が向上すると思いますので、ぜひ試してみてくださいね。