「DEEP DIVING SESSION - Movable Typeの未来と可能性を深く探る」を開催しました!
ども、どもども。
ジャクスタポジション 西山です。
この記事は、Movable Type Advent Calendar 2024 の4日目の記事です。
去る2024年11月23日(土)、東京ガーデンテラス紀尾井町にあるLINEヤフーさんの会場で、MTDDC Meetup TOKYO 2024が開催されました。
この日、私は実行委員長としてイベント運営に関わっており、例年のようなセッションは担当していなかったのですが、その代わりに「MTDDC Meetup 特別企画 DEEP DIVING SESSION」のモデレーター・ファシリテーターとして、トークセッションを開かせてもらいました。
この記事では、そのトークセッションについて当日の様子などをまとめたいと思います。
トークセッションの概要
DEEP DIVING SESSION - Movable Typeの未来と可能性を深く探る
Movable Typeユーザーのための特別トークセッションを開催します!
シックス・アパート社のCEO & CTOである平田大治さん、製品企画シニアマネジャーの早瀬将一さんをお招きし、Movable Typeが目指す未来について語り合います。
ユーザーから寄せられた質問や疑問に答えつつ、今後の開発方針や方向性についてリアルな声をお届け。
また、最近話題のノーコードCMSや他のウェブプラットフォームと比較しながら、Movable Typeがどのように進化し続けているか、その価値を改めて考えます。
さらに、Movable Typeユーザーコミュニティの価値と成長に対するシックス・アパート社のビジョンも徹底討論。
Movable Typeの新たな可能性を知りたい方、ユーザー同士のつながりを大切にしている方は、ぜひご参加ください!
https://mtddc2024.mt-tokyo.net/speaker/lodge04.html
イベント公式サイトにもあるとおり、当日はシックス・アパート社の平田さんと早瀬さんをお招きし、事前に集めておいたトークテーマを中心に私から質問を投げかけ、お二方に回答してもらうカタチで進みました。
また、ゲストとしてMTAppjQueryの提供元であるbit partの柳谷 真志さん、奥脇 知宏さんも登場。
お二人とも海外在住(シンガポールとニュージーランド)なので、会場とZoomでつなぐという新しいカタチでトークセッションを進めました。
主なトークテーマ
当日の模様を録画していたわけではない(録画しておけばよかった…!)ので正確さは今ひとつかもですが、以下のような話題が繰り広げられました。
ヘッドレスCMSが増えてきて、MT6から登場したDataAPIのような機能が再認識されていると思うが、今後、DataAPI周りの拡張は予定されているか
- すべてのエンドポイントを作成したので大きな拡張は考えていないが、ユーザー管理なども含め操作可能なAPIなので利用範囲は広いと思う
- デジタルサイネージや外部システムとの連携はもちろん、管理画面そのものを作り直せるので広く利用してほしい
- Movable TypeはヘッドレスCMSではないが、テンプレートを利用して自由なカタチでデータを取り出せるので、そのようなカタチでも利用してもらいたい
コンテンツタイプ、カスタムフィールド、カスタムブロックの使い分けと今後の展望は?
- カスタムフィールドは記事やウェブページを拡張する機能、コンテンツタイプはより柔軟なウェブサイトの構造設計ができる機能と考えて利用してほしい
- カスタムブロック(ブロックエディタ)もその入力値をMTタグで取り出すことはできるが、カスタムフィールドのように構造化されたものではないので、事前に情報整理が可能な場合はカスタムフィールドで設計するなど使い分けると良い
- Movable Typeの中から「ブログ」という言葉は消えた(サイト>子サイトという扱いになった)が、細かな情報設計なしにそのまま使える記事とウェブページは今後も無くならない
- カスタムフィールドは情報の再利用性が高いが、すべてが情報整理できるコンテンツばかりではないので、カスタムブロック(ブロックエディタ)と併用できると良さそう
- カスタムブロック(ブロックエディタ)の大幅な機能拡張は予定していないが、利便性向上などは今後も進めていきたい
- コンテンツタイプは作りすぎると管理画面のパフォーマンスが低下することがあるので、今後はコンテンツタイプのパフォーマンス改善も進めていく
- MovableType.netの「かんたんデザイン編集」でカスタムフィールドを使いたいという要望を聞くので今後検討したい
Movable Typeは「枯れたCMS」と言われることも多いが、今後の展開についてどう考えているか
- Perlで書かれているからと言って古いわけではなく、今後もPerl5とその後継で開発を進めていく予定(PHPも良いが性能としての大きな差はない)
- 20年前に書かれたテンプレートも動作するほどMTタグの互換性を重視しているため枯れたと表現されることも少なくない。
- 継ぎ足しで書かれたコードはメンテナンスが大変なところもあるが、テスト駆動開発やCI(継続的インテグレーション)を取り入れ、品質と生産性を向上させていく工夫をしている
- ウェブサイトは5〜10年ほど運営されるケースが多いように思うが、それに耐えうるだけのCMSでなければならないと考えている
- 長くお客様と向き合っていくために、安心して利用してもらうために、新しいものを取り入れた「枯れたCMS」も悪くないと考えている
シックス・アパート社として、Movable Typeユーザーコミュニティとの関わりをどう考えているか
- Movable Typeはメーカーだけで成り立っているものではないと認識している
- ウェブサイト制作会社さんやユーザーの皆さんからの声やフィードバックはありがたく、一緒に作っている感覚が嬉しい
- オープンソースじゃないから貢献できないというものではないので、バグかも?と思ったものはQA(Quality Assurance/製品やサービスの品質を保証する担当)にフィードバックをもらえたら確認を進めるので気軽に投げてほしい
- コミュニティの高齢化についても声を聞くが、今後はドキュメントを動画化するなど、若い世代でも触れやすい環境を準備していきたい
- Perlであってもドキュメントがきちんと整備されていればチャレンジできると思うので、ドキュメント整備も進めていきたい
今後、Movable Typeをどのようなプロダクトに育てていきたいか
- 早瀬 将一 氏
世の中のウェブサイトで、その7〜8割がMovable Typeを利用しているような製品にしていきたい
- 平田 大治 氏
より長く、より使いやすく、ウェブの発展に貢献できるような製品にしていきたい
トークセッションを終えて
以上、かなり抜粋した感じではありますが、当日の模様を書き起こしてみました。
シックス・アパート社の方々とMovable Typeについて話すことは少なくありませんが、こういうイベントである程度まとまった時間を使って深ぼっていく感じ、とても楽しかったです。
個人的にはもうちょっと突っ込んだ話を…と思っていた部分もありましたが、なかなか難しいですね(笑)
トークセッションは16:30〜18:10の2セッション分(100分)を予定していたのですが、当初は「途中で話題がなくなったらどうしよう…」とかなり焦っていました(苦笑)
ところが実際に始めて見ると、用意していたトークテーマの半分ほどしか取り上げられないほど話が止まらない100分間となり、ゲスト出演してくれたbit partのお二人も交え、なかなか盛り上がったのではないかと思います。
会場には40〜50名ほどの方が参加してくれていたと思うのですが、数あるセッションの中から選んでもらえたのも嬉しかった…!
弊社メンバーや友人・知人たちも「思っていたよりずっと面白かった」「もっと聞いていたかった」「難しい話もあったが楽しかった」など、高評価をくれたので、それもとても嬉しかったです。
実はトークセッションやパネルディスカッションのモデレーター・ファシリテーターを務めたのは今回が初めてで、事前に練習というかリハーサルのようなものもあまりできなかったのですが、会場で参加してくれた大勢の方々が真剣に聞いてくれているのが伝わってきて、あまり緊張せずに進められたのが良かったです。
一度、こういうのやってみたかったので、個人的にもとても満足のいくトークセッションになりました!
あらためて協力してくれたシックス・アパート社の平田さん、早瀬さん、そしてbit partの柳谷さん、奥脇さん、参加してくれた皆さんに感謝です。
またどこかでやってみたいなぁ(笑)
この記事は、Movable Type Advent Calendar 2024 の4日目の記事です。
明日は @redamoon さんの記事が公開になるので、お楽しみに!